なんとなくクリステート
シチズンのクリステートについてのHPです。
トンボ本やシチズンの技術資料や他の方の作成されたHP等も参考にしていますが、基本的には所有する個体から確認できたことを記載しております。
したがって間違いが多数あると思います。
生暖かく見守っていただければ幸いです。
クリステートって?
シチズンホーマーをベースにした高機能腕時計です。高機能時計というのは、秒規制がついているかららしいです。笑
その前にホーマーって?
シチズンの本中三針の手巻傑作普及機です。
詳細はトンボ本を参考にして下さい。
クリステートの特徴
クリステートの特徴は以下の通りです。
これらの特徴の一部を満たすホーマーベースの腕時計(以下ホーマー系)は他にも結構ありますが、全て満たしたクリステート以外のホーマー系は実はありません。
特徴の後ろの( )はクリステート以外にもこの特徴を有する主なホーマー系の時計です。
特徴は以下の通りです。
特徴1:秒規制(鉄道ホーマー、クロノマスター、クロノマスタースペシャル、クロノマスターデート、クロノメーター(22石、25石)、スーパーデラックスデート(後期))
特徴2:クリスタルガラス(クロノマスター、クロノマスタースペシャル、クロノマスターデート、スーパーデラックスデート(後期)、ホーマーデートクリスタル)
特徴3:ステンレスケースのみ(クロノマスター、クロノマスタースペシャル、クロノマスターデート、鉄道ホーマー)
スクリューバックのみ(クロノマスター、クロノマスタースペシャル、クロノマスターデート、ホーマーデートクリスタル)
特徴4:cal0911(鉄道ホーマー)
クリステートと名がつくモデルは?
クリステートとクリステートデラックスです。
クリステートとクリステートデラックスの違いは?
外装の違い
クリステート:直径35〜35.5ミリ 機械上出し(ガラス側から機械を出します)
クリステートデラックス:直径37ミリ 機械下出し(裏蓋側から機械を出します)
機械の違い
calは同じ0911ですが、石数が違います。
クリステート:21石(標準の15石+2番上下2石+3番上下蓋2石、ガンギ上下蓋2石)
クリステートデラックス:22石(21石+追加1石:追加の1石は香箱真下側)
クリステートデラックスの香箱をクリステートに移植すれば、22石クリステートが出来ます。(まあ、そんなこと誰もしないでしょうけど)
クリステートは単一モデル?
(事実上同一である新旧型番の違いは別にして)型番は三種類確認しています。
全て旧型番で
HOOS-2901-C
HOOS-2902-Y
HOOS-2903-K
を確認しました。
それぞれの型番の特徴は?
HOOS-2901-C
確認できたのは1本だけですので半分は個体情報だと思ってください。
2903との違いはラグのエッジ以外にはないと思います。
ラグ先端のエッジ部が丸いですが、1本だけしか確認できていないので、元々丸いのか後年磨かれて丸くなったのかは分かりません。
ですので、確認できた固体が後年磨かれて丸くなったのであれば、2903との違いはないと思われます。
形状等については2903で説明します。
HOOS-2902-Y
確認できた個体数は2901の次に少ない(4本)ですが、2901は2903とほぼ同じ形状をしているので、2902の方が見かけないと思います。
(クリステート自体あまり見かけない&目立たない機種ですが)
ベゼル径は35.5ミリです。
最大の特徴は、ラグが文字盤側から見て、カーブせずに斜めにまっすぐ細くなり、2901,2903よりもどっしりしています。
上の2点から、2901,2903よりも大きく頑丈そうに見えます。
HOOS-2903-K
クリステートの中では恐らく1番見かける形だと思います。
ベゼル径35ミリです。
ラグの形状は先端に従って緩やかにカーブしており、太さも2902よりも細いです。
ラグの先端はエッジが効いた直線的な仕上げです。
ガラスは2902と互換性はありません。
画像1:2901と2903のラグ
クリステートの文字盤や針の種類は?
文字盤のCITIZENは全て植字です。
確認できた針は全て剣針ですが、上面が山でオニキス仕上げと上面が平らで削り出しの2種類があり、型番や文字盤により、使い分けられています。
インデックスはバー、バー(オニキス)、アラビア、ローマ数字(ネットで確認)の4種類ですが、バーの形状は黒文字盤と銀文字盤で少し異なります。
文字盤の色は銀、黒、クリーム(白?)の三種類で、インデックスとの組み合わせは黒はバーのみ、クリームはアラビアのみ、銀はバーとバー(オニキス)です。
黒文字盤にのみ十字線が入ります。
2902の黒文字盤にのみ6時位置に星がつきます。
文字盤の色とインデックスや針の組み合わせで、確認できたものです。
番号:型番−文字盤色−インデックス−針−CRYSTATE位置−石数位置−他
1:2901−クリーム(白?)−アラビア−オニキス−6時−6時21J
2:2902−銀−バー−削り出し−12時−6時21JEWELS
3:2902−黒−バー−削り出し−12時−6時21JEWELS−6時星有、十字線有
4:2902−クリーム(白?)−アラビア−オニキス−6時−6時21J
5:2903−銀−バー−削り出し−6時−6時21J
6:2903−銀−バー(オニキス)−オニキス−6時−6時21J
7:2903−黒−バー−削り出し−6時−6時21J−十字線有
画像2:2901クリームアラビア
画像3:2902黒バー
画像4:2902クリームアラビア
画像5:2903銀バー
画像6:2903銀バーオニキス
画像7:2903黒バー
クリステートの弱点
外装
特に2902についてですが、ベゼルが非常に脆いです。すぐにヒビが入ります。
2902ほどではないですが、2901、2903も結構ベゼルがやられています。
現存する個体もベゼルにヒビが入っている、あるいは欠損しているものが結構あります。クリステートは分解掃除をする場合、構造上必ずベゼルを外さないといけないので、時計屋さんに充分注意してもらいましょう。
ベゼルが破損してしまった場合、外装部品については入手はほぼ不可能かと思われます。
お金が潤沢にある方は、ベゼルを製作されると今後も安心してクリステートを使えると思います。
(まあ、この時計にそこまでする価値があるかどうかは微妙ですが)
機械
これは、クリステートに限らず、ホーマー系全てに言えることですが、裏押さえがメチャクチャよく折れます。
部品としてはベゼルよりかははるかに入手しやすいと思います。
クリステートデラックスは単一モデル?
新旧型番を含め、以下の型番を確認していますが、型番による違いは確認できませんでしたので単一モデルと思われます。
確認できた型番
HOOS-3003-T
4-020308 T
4-020839 T
クリステートデラックスの外装の特徴は?
ベゼル径37ミリで、クリステートと比べるとかなり大きく見えます。
ラグの形状は2903に似ています。
しかし、ベゼル径が37ミリに対し、ラグはクリステートとほぼ同じ長さなので、クリステートデラックスよりもクリステートの方が全体的なバランスが取れている感じがします。
クリステートと違い機械は下出しのため、分解掃除毎にベゼルやガラスを外す必要はないため、ベゼルの破損の心配が少ないです。
クリステートデラックスの文字盤や針の特徴は?
以下の三種類の文字盤を確認しています。
銀文字盤バーインデックス
銀文字盤バーインデックス外周リング付
クリーム(白?)文字盤アラビア数字
全ての文字盤に共通する特徴は以下の通りです。
12時位置のCITIZENの文字は全て植字で新字体
CITIZENの下にcrystate deluxeと記載
6時位置に星の植字
星の下に22 JEWELS
バーインデックスはリング有、無共オニキス入りですが、リング有、無でインデックスの形状が異なります。
針は全て棒針でオニキス入りですが、文字盤により微妙に形状が違います。
銀バー:先端の三角が鋭い、指示部の逆側は出ていない、細い
銀バーリング付:先端の三角が緩い、指示部の逆側が出ている、太い
クリームアラビア:先端の三角が鋭い、指示部の逆側が出ている、全体に緩いテーパ
画像8:銀バー
画像9:銀バーリング付
画像10:クリームアラビア
クリステートデラックスの弱点
弱点というよりも、スペーサーの加工精度の問題かと思いますが、竜頭を操作しようとすると(引っ張ると)機械も一緒に動く個体が多いです。
お金が潤沢にある方は、精度の高いスペーサーを作ってもらい、ガタつきをなくしましょう。